ナイキの厚底シューズは“さとりのしょ”

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どうも!たくパンです。今回はナイキの厚底のシューズについて自分になりの見解を書いていきたいと思います。ナイキの厚底シューズと言えばヴェイパーフライ4%が代表的ですよね。フルマラソン日本新記録保持者の大迫選手が履いていたことにより、その存在が世の中に広く知れ渡りました。

私は2018年の年末にズーム フライ フライニットを購入しました。自分のような庶民ランナーにはヴェイパーフライ4%には手が届きません。しかし、その下位モデルにあたるズーム フライ フライニットであれば、ギリギリ手が届きました。年末年始の家族サービスにより嫁さんの堪忍袋の尾も何とか繋ぎ止めております。そもそもヴェイパーフライは未だ入手困難な状態ですが。。何にせよ厚底シューズを履き始めてから色々と思うことが沸々と湧き上がってきています。

厚底シューズに関してはネット上では「スピードが上がる」、「ダメージが少ない」といった記事が多く見られ高評価です。果たして、一般的な市民ランナーにとっても当てはまることなのでしょうか?それでは、実際に厚底を履いて感じた自分なりの意見をまとめていきたいと思います。

厚底シューズはさとりのしょ(悟りの書)

タイトルにも使用したこの例え。分かる人にはわかるんじゃないでしょうか。幼いころドラクエ3をプレイした時の事を思い出してみてください。レベル20以上で転職できる状態になってから“さとりのしょ”を持ってダーマの神殿に行くと、賢者に転職できるというもの。でも転職するとレベルは1から再スタートです。賢者になったらどんな万能なキャラに変身できるんだろうとわくわくしたものですが、転職するとレベル1になってがっかり。また、地道にレベルを上げていかなければなりません。やはりこの例えは理解できる世代を選びますね(笑)

私は厚底シューズにも似た感覚を覚えました。買う前はどきどきわくわく、これで走ったら自分のランがどんな風に変わるんだろう?どこまで早くなるんだろう?そんな風に思っていました。それは巷の評判がハードルを上げすぎているということもあるし、情報に踊らされた自分もいます。

フォームや筋力を再構築する必要がある

レーシングシューズとしてセオリー通りの薄底シューズを使っていた人が厚底シューズへ転職した場合、レベル1から再スタートとなる。とまでは言いませんが、少なくともこれまで築き上げてきたフォームや筋力を厚底シューズに合うように再構築していく必要があります。

購入したばかりの厚底シューズを履いて30キロのペース走へ行ってきたときのこと。前評判ではスピードが上がるという評価が多数でしたが、自分の場合むしろスピードが落ちました。スピードを上げるには以前のシューズとはフォームを変えて走る必要があり、慣れないフォームは疲労が溜まりやすくなります。それにより、息の上がり方も早く感じました。また、足の筋肉を使う部分が微妙に違います。その微妙な違いが30キロの間に蓄積されて、ペース走を終えた頃には以前のシューズとは明らかに違う筋疲労を感じました。

そのペース走を終えた後、フルマラソンでこのシューズを使った場合、さらにあと10キロ以上走らなければならないのかと思いぞっとした記憶があります。勝ってに足が前に出るとか疲労度が少ないとかウソじゃん!ってガチ思いました。まぁ実際にはウソではなくて、エリート選手は土台が違うし練習量が違うから、筋力とか持久力とか一般人を超越している彼らからしたらリアルガチで楽なシューズなんでしょうね。

マラソンシューズは実際に長い距離を走ってみないと自分の足に合うかどうかわかりません。店内で試着し、数メートル行ったりきたりしただけでは無意味なんですね。私がズーム フライ フライニットを試着した時もそうでした。数メートルですがかなりの推進力を感じましたし、かつクッション性もすごい。ほぼ衝動的に買ってしまった感はあります。走るスピードが上がるイメージも湧きました。

時間をかければ武器になる

厚底シューズを履きこなすのはぶっちゃけフツーの市民ランナーにとっては結構難しいと思います。プロのマラソン選手や箱根駅伝の選手たちは数百キロ、数千キロという距離と時間をかけて自分のものにしているはずですよね?それを市民ランナーにやれって言っても到底無理な話です。

では、市民ランナーのレーシングシューズとしては厚底シューズの選択肢はないのか?そうとは言いません。長期的に厚底シューズでトレーニングすることが可能であればもちろんそれを選ぶ価値があります。それは、弾力のあるクッション性により長距離走による足へのダメージが軽減、つまり長く走っても怪我のリスクが少ないという事。そして、カーボンファイバープレートの反発から生まれる推進力がある。どちらもマラソンシューズに欲しいスペックです。薄底シューズでこれを両立するのは難しい。ナイキの厚底のシューズは確かにそれを両立しています。なので、長期的に厚底シューズとお付き合いできるならそれを選択するのもありです。しかしそれには条件が付帯します。

レースも練習もナイキの厚底を履く

まずはじめに、レース以外のトレーニングでもナイキ厚底を選択するという事。日頃から同じ感覚のシューズで走り込んでおく事べきです。ズームフライ フライニットで走った時、ソール全体が地面にべったりと接するような感覚にしばらく慣れませんでした。あの感覚はナイキの厚底独特であると思います。厚底に変えてから1年後、さぼらずトレーニングを続けていれば筋力やフォームはそれに適したものになっているでしょう。しかしそれは薄底シューズへ戻れない可能性も秘めていることを忘れてはなりません。考えようによっては、厚底・薄底それぞれのシューズを練習内容に合わせて使い分けておくってこともありかもしれません。でも市民ランナーにそんな時間ないんですよね。仕事と家庭の時間の合間を見つけてなんとか練習時間を削り出しているわけです。必然的に二者択一になります。

コストをかける覚悟を持つ

次に、レーシングシューズ、トレーニングシューズに高額投資ができるかという事。決して安くないお値段です。定価ではありますが、ヴェイパーフライ4%は3万円弱ほど。ズーム フライ フライニットでも1万7千円くらいです。下手したら、他メーカーの2倍以上の値段をシューズに費やすことになりかねません。マラソンシューズは消耗品です。ソールがある程度すり減ったりしたら買い替えなければなりません。年に2、3回買い替えるとなるとシューズだけで4万~5万、下手したら6万くらいも覚悟しなければならない。厚底シューズの選択は一般的な市民ランナーにとってコスト面の問題も大きくのしかかってきます。

結論、シューズ選択は慎重に

ということで、ナイキの厚底シューズに関して書いてきました。レーシングシューズとして厚底に転職を考えている方は、一度立ち止まって考えてみて欲しいと思います。あの頃の自分にも言ってやりたいくらいです。長期的に厚底シューズとお付き合いできるのか?高額なシューズにどこまで投資できるか?などを現実的にイメージしてみてください。自己ベスト更新に対する自分の意欲と検討すべきポイントを天秤にかけたとき、釣り合いが取れるかどうかが大切。慎重に考えた結果、納得した上で厚底シューズを選択するのもありですよ。

ナイキ ズーム フライフライニットのレビュー記事を書いています。是非こちらもご一緒に読んでみてください!

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